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RSSとWebの関係を考える

すでに議論され尽くしてしまったのかもしれないけど、RSS/Atom(以下、RSSと総称)が一般的になり、ただ配信すればよいわけではなく「中身」が問われるようになってきている。また、RSSリーダーによるブラウジングが当たり前になることで、Webデザインにも変容が迫られるかもしれない。

といったことを、自分の頭の整理をかねて考えてみたい。

冒頭のみを提供すべきか、全文を提供すべきか

RSSリーダーにはさまざまなタイプがあり、画一的な状況を想定するのが難しいところだが、BloglinesやHeadline-Readerなど全文表示が可能なRSSリーダーのユーザーには、わざわざWebページにアクセスせずにRSSだけを読む人も少なくない。そういえば、ブログサービスも一時期こぞって全文提供に対応したような。

RSSで配信する文字数を冒頭100文字などに制限しているケースをよく見受けるが、RSSだけで全文を読みたいユーザーもいるのだから全文を提供したほうがよい、というのがメディア・パブ: RSSフィード論争,“抜粋 vs 記事全文”結城浩の日記: RSSフィードに全文を入れるなどの意見だ。

私もRSSだけで全文を読みたい派なので、基本的にこの意見に賛成だ。全文提供によってトラフィックが増えてサーバに負荷がかかるかもしれないが、日本語全角文字(2バイト文字)は1,000字でも2,000バイト、おおよそ1.95KBであり、それほどの負荷ではない。ただ、サイト全体のトラフィックの総計がそれに耐えられないというケースもありうるので、「should」というよりは「may」だろう。

ひとつの解: RSSの形式によって全文提供か冒頭提供か変える

highbiscus: RSSに全文入れろ派は安易すぎると思う。では「全文提供はそもそもRSSの思想に合わない」という意見が述べられている。セマンティックWeb云々のくだりはちょっと違う気がするにしても、一理あると思う。確かに全文提供は「Summary」でも「Simple」でもないわけだ。

上記エントリーに対するはてなブックマークのリアクションにもあったが、たとえばRSS 1.0では全文提供、RSS 2.0では冒頭提供というように、形式によって提供内容を変える方法がひとつの解になるだろう。あるいは冒頭提供ではなく、長谷川恭久さんのブログのように、エントリーひとつひとつにきちんと概要文を書き、RSSで提供する方法もある(これが本来のRSSのあり方かもしれない。よい仕事だと思う)。

そう思って、本ブログでも一時期RSSの形式によって提供内容を変えていたのだが、やはりどの形式でも全文提供を望む声があって、結局すべての形式で全文提供にし、今日に至っている。つまり、この解は使っていない。なぜならこの解を使う場合は事前の説明が必要になってしまうからだ。

たとえばCNET JapanのようにRDFアイコン経由で説明ページに飛ばすのは、ユーザーを戸惑わせることになるのではないか。URLがダイレクトに取得できると思っているのにワンクッション置かれてしまうのは、何となく「裏切られ感」を覚えてしまう。

RSSリーダー vs. Webページ

RSSで全文を提供しており、RSSリーダー上のほうがむしろWebページよりも読みやすい場合、ユーザーはわざわざWebページにアクセスしない(RSSによる全文提供を望むのはこの理由が大きいのでは)。つまり、Webページのほうが読みやすいという前提がないと、デザインをあれこれと工夫することが返ってアクセスの倦厭につながってしまう。

たとえばRSSリーダー上では背景色が白、文字色が黒なのに、Webページはその逆というのでは、ユーザーはストレスに感じるかもしれない。フォントサイズが違いすぎるといったギャップもストレス要因となる。

コメントやトラックバックなどのコミュニティ面、ナビゲーションなどのインターフェイス面、人気エントリー表示などのサブコンテンツ面もアクセスのトリガーとなるのでこう単純には言い切れないが、今後ますますRSS配信が普及するとすれば、RSSリーダー上での表示を念頭においたWebデザインが求められるだろう。

これにより、Webデザインのシンプル化とコンテンツへのフォーカス、ある意味での原点回帰が進むかもしれないし、すでにそのような方向に進んでいると感じる。

PV数もUU数も当てにならなくなってきた

RSSリーダーによるブラウジングが一般的になってくると、PV数もUU数もあまり当てにならないことになる。トラフィックとPV/UU数が相関しなくなってきているのだ。

それゆえ、RSSでは冒頭のみを提供することで、Webページへのアクセスを促すという戦略的な判断がありうる。実際にそのように判断していると感じさせるサイトも少なくない。Webページの価値(またWebページ上の広告価値)を担保するのは、やはりPV/UU数だからだ。RSS埋め込み広告もそのようなやむにやまれぬ事情で生まれたのかもしれない。

サイトをCMSやブログベースにリビルドし、RSSを配信し出したらPV/UU数が落ちた、といった苦情がクライアントから寄せられるかもしれない。結果的にROIが向上したことが証明できればよいが、少なくとも初動段階ではこのような苦情がありうる。あらかじめクライアントに納得しておいてもらわなければならない点だろう。

追記 ( 2005-12-18)

Movable Typeで全文提供(かつマークアップを有効に)するには、RSS/Atomのなかの

<$MTEntryExcerpt encode_xml="1"$>

というタグを、

<$MTEntryBody encode_xml="1"$>

に変えればオーケー。もし追記(more)まで提供する場合は、

<$MTEntryBody encode_xml="1"$>
<$MTEntryMore encode_xml="1"$>

とする(00:10)。

Posted on 2005-12-12T01:24+09:00 | Category: Webトレンド

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