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怒りのファミレス店員

ファミレスのなかでも「ジョナサン」が好きだ。一時期、朝10時から夜21時まで毎日ひとりで入り浸っていた。黙って本を読んでいるだけだった。到着するとまずドリンクバーを頼み、12:30にランチ、19:00にディナーを食べると決めていた。

店員のシフトも頭にインプットされていた。火曜日の16:50だから○○さんが登場する頃だとか、木曜日の14:00に××さんがいないのはおかしいから何か特別な事情があったのだろうかと案じたものだ。心のなかで影の店長として勝手に暗躍していた。

人間が働く姿は美しい。容姿の問題ではもちろんなく、様式美、機能美、集団美その他の美が、働く人々を神々しく照らしている。手元の本に90%の意識を割り当てながら、残りの10%でそれらの美を追い続けた。そして、ジョナサン高田馬場店は私が求める美に極めて誠実に応えてくれた。単純にこれは「居心地」と表現できるのかもしれない。

一方、求める美を全く満たさないどころか、マイナスの美を提供する店もある。私はちょっとやそっとのことでは怒らないし、特定の期待役割を求められていない限り(つまり、ある種のロールプレイングでない限り)人に対して怒りをあらわにするのは恥とすら思っている。

だが、そのファミレスの店員は違った。「タコとツナの冷たいカペリーニ バジル風」を頼んだら、「みぞれとんかつ定食」を手にテーブルにやってきたのだ。誤差の範囲はわりと広くとらえるほうなので「温泉卵のカルボナーラ」でも我慢して食べただろう。だが、運ばれてきた料理がイタリアと日本の距離ほどに遠かったので、「頼んでいませんけど」と言わざるをえなかった。

間もなくテーブルの上に醤油が置かれた。果たして必要なのだろうかと思ったが、実際にその料理を目にするまで要不要を唱えても仕方がない。そもそも不要であれば使わなければよいのだ。数分後、私の前に料理が運ばれてきた。「海鮮ちらし丼」。は?

ここまで来ると私の怒りモード学園は完全に三学期を迎え、半径1.5メートルの範囲に天変地異を起こしてしまいそうになる。しかし、黙って席を立ち、勘定を払って店を出た。

あの店員から見たら私のほうが変なのだろう。私も決してものわかりがよいほうではないから、責任の一端は自分にあると自らを責めることで瞬間的に溜飲を下げた。だが、その鬱屈は数秒後に私の体を真っ直ぐに突き抜け、鷲(わし)のマークの大正製薬 本社ビルの前で「ウォー」と叫ばせる結果となった。そして間もなく、曇天は晴天に変わった。

* * *

[写真: ピザーラ、お届け]こうしてあれこれ書いていたらお腹が空いてきて、夜も更けようというのにピザを頼んでしまった。インターホンが鳴っても無視をし続けるという荒技を繰り出したら、果たしてどうなるのだろうか。

もちろんそんな馬鹿げたことはしない。ピザを受け取り、お金を払い、玄関のドアが静かに閉まるとき、心のなかで「ピザーラ、お届け」とぺ・ヨンジュンのモノマネをしつつ、配達員の帰路の無事を祈った。

Posted on 2005-08-01T00:52+09:00 | Category: 身辺雑記

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Tracked on 2006-03-23T11:39+09:00

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