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文章を書くのに役立つ本

一昨日は専門学校の社会人向け講座の生徒さん達の飲み会に参加させてもらった。何だか非常に盛り上がってしまって、ほぼ朝までコースになってしまった。生徒さん達は翌日の授業に差し支えなかったかちょっと心配。お酒を飲むと金銭感覚が麻痺する自分の預金残高はかなり心配。

HUB新宿靖国通り店で「ナウでヤングなレンタルサーバ!」「ロリポップ!」とコール&レスポンスを繰り返していたのは、われわれ一団です。

* * *

生徒さんから「文章を書くのに役立つ本って何ですか?」と質問されたが、すでにお酒が入っていたせいできちんと答えていなかった気がする。ここで、私が今でもたまに読み返す本を2冊あげたい。

木下 是雄 著『レポートの組み立て方』(ちくま学芸文庫、1994年2月)
木下氏には『理科系の作文技術』(中公新書、1981年1月) という優れた著作があるが、その内容を一般化した本。内容・形式の両面から文章の書き方を説いた本であり、アカデミックな雰囲気が漂いながらも平易でわかりやすいのでスラスラと読める。だが、内容は広く深く、文章を書く上での「盲点」にもたくさんの光を与えている。私は学生時代にはじめてこの本を読んだとき、何となく「モノを書く」という行為が遠くない将来に私の仕事の一部になると思った。
本多 勝一 著『日本語の作文技術』(朝日文庫、1982年1月)
不朽の名作。木下著と比較すると、内容面を徹底的に掘り下げて解説しているのが特徴。機能文(レポートや論文、企画書など)よりは観賞文(エッセイや小説など)やその中間(ルポタージュなど)を想定している点も木下著と異なる。ところどころでやや次元の高い議論が展開されているので、頭から読んで理解が難しい部分は飛ばしてもよいし(私にも多々あった)、興味のある部分だけを拾い読みしてもよい。それだけひとつひとつの話題が充実している本である。

これら2冊は、出版時期から考えても全く色褪せていないという点で特筆すべきである。とはいえ、今日の今日まで入手が容易であることを考えれば別段驚くべきことではないのだが、エッセンシャルな話題はこの2冊でカバーできるし、むしろ個人的にはこの2冊から読んだほうがよいとさえ思う。

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以下、余談。

文章作法や文章の書き方に関する本を読む上で注意すべきは、「ポジティブシンキングを強調した本に騙されない」ということである。百歩譲って五十歩歩み寄ったとして、何か得るところはあるかもしれない。だが、ポジティブシンキングは結局「脳天気」であり、自分を無理からプラス極に方向づけるということだ。

「人間はそう単純なものなのか?」と思う。プラスもマイナスも抱えて生きていかなければならないわけだし、自分のなかにマイナスが存在するからこそプラスの力が働くこともある。それを認識せずに、単に「前向きな文章を」と書いてあっても、「じゃあ、あなたが全面的に自分という存在を容認できる、そんな心も頭もハッピーな人間なのか?」と問い質(ただ)したくなる。

ここまで書いて、ある本をゴミ箱に放り投げたことを思い出した。わりと売れている、とある本のなかに、「根本思想にメスを入れる必要がある」という一文があった。前後文脈を含めて大意を解するに、「ネガティブ思考で文章を書いてはダメ」ということなのだが、「ポジティブ思考の文章だけが文章なのか?」と怒髪天を突いたことを、昨日のことのように今はっきりと思い出す。

その日は腹が立って腹が立って仕方がなくて、コーンスープしか喉を通らず、夜21:00にさっさと不貞寝したことを覚えている。

Posted on 2005-03-17T23:30+09:00 | Category: Webライティング

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Tracked on 2005-12-24T12:48+09:00

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