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何がWeb標準なのか?

Web Standards Project のエントリー What is a "Web Standard?"(何がWeb標準なのか?)には、いろいろと考えさせられた。

まず冒頭の引用から。

The grand irony as we debate the importance of validation and what web standards are is this little bugaboo:

(ソースの検証の重要性と何がWeb標準なのかについて我々が議論するという大いなる皮肉、これは幽霊話に通じるところがある。)

Web "standards" aren't.

(Web「標準」は存在しない、という怪談だ。)

W3C仕様書は何らの強制力を持たないという意味で「事実上の標準」(de facto standards)にすぎないことや、Web標準準拠とベストプラクティスの違いを議論した後、いくつかのキーワードが次のように整理されている。

  • Separation of presentation and structure: implied as ideal: a best practice.
    (構造と表現の分離: 理想を暗示したもの: ベストプラクティス)
  • Semantic markup: implied: a best practice.
    (意味的なマークアップ: 理想を暗示したもの: ベストプラクティス)
  • Content delivery via media types: explicit, a "standard."
    (適切なメディアタイプを指定した上でのコンテンツ配信: 明確に示されている「標準」)
  • Well-formed markup: explicit, a "standard."
    (整形式マークアップ: 明確に示されている「標準」)
  • Conformance: explicit, a "standard."
    (準拠性: 明確に示されている「標準」)

さらに、Web制作における「実務と科学の分離」(separation of practice and science)が検討された後、「では我々は何ができるのか?」(so what can we do?)で次のような結論が示されている。

What we can do is work together more effectively to hone in on what should explicitly fit into a standard, and what is a best practice, and come up with some useful terms that we as professionals understand. These terms should also be more friendly to marketing departments, non-technical support people, and the lay public, and they should adequately describe the marriage of science and practice within our industry.

(我々ができることは、何が標準で何がベストプラクティスかをはっきりさせ、専門家としての理解をもとに新たな有用な用語を提案するために、より効率的に共同作業することである[つまり、用語法の混乱が不要な議論を助長しているということ─引用者注]。また、Webに関する用語は、マーケティング部門や非技術的サポート部門、その他一般の人にとってもわかりやすくなければならず、我々の業界における科学と実務の融合を適切に言い表したものでなければならない。)

さて、少しばかり読後感を。

他の業界でもしばしば見受けるありきたりな結論に落ち着いてしまったのが惜しい。Web標準が「事実上の標準」である以上、「標準」と「ベストプラクティス」の間にグレーゾーンが生まれてしまうのは致し方ない。もちろんグレーゾーンを少しでも明らかにしようと試みたチャレンジングなエントリーであるし、それは決して無駄ではない。

たとえば米国リハビリテーション法508条(Section 508)や日本のWebコンテンツJISのように、一定の強制力・拘束力をもったガイドラインを読み解く上で、ひとつひとつの条項がW3C仕様書に照らして「標準」なのか「ベストプラクティス」なのか(各種ガイドラインの判断のほうが妥当な場合もあるだろう)を検討するための発想として利用できるだろう。

Posted on 2005-01-18T13:47+09:00 | Category: Web標準

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