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書評『入門RSS』

[表紙: 入門RSS ― Webにおける効率のよい情報収集/発信]『入門RSS ― Webにおける効率のよい情報収集/発信』
新納 浩幸 著(毎日コミュニケーションズ、2004年11月、2,100円)

RSSテクノロジーを俯瞰(ふかん)するのに最適な本。基礎言語であるXMLRDFに関する説明は極力避け、RSSただ一点に絞っている点で成功している。

前半ではRSSの配信方法、RSSリーダーの利用法などを、後半ではRSS生成プログラム(Perl)やツール(Google Web APIやAmazon API)、RSSとAtomの関係やFOAFなどを中心に説明している。

全体を通して、ブログ(特にMovable Type)での利用を前提に説明されているのは、今日のトレンドゆえのことであり、切り口として真っ当である。

章立ては次のとおり。

1章 RSSとは何か
2章 RSSフィードの配信
3章 RSSフィードの受信
4章 RSSフィードのブラウザでの表示
5章 RSSに関連するプログラム
6章 RSS周辺の話題

2005年は「RSS元年」と言われる。振り返れば、2004年は「ブログでのRSS配信」と「RSSリーダーでの情報収集」というスタイルがわれわれ一般ユーザーにもかなりの程度普及したし、RSS専門の検索ポータルやディレクトリも現われた。

通常のWebサイト(特にニュースサイト)がRSSを配信するケースも増えてきている(特にgoo。gooが検索ポータルとして一定の地位を誇っているのは、画像検索といい、RSS配信といい、進取の精神をもちつづけているからだと思う)。

RSSの普及は取りも直さずセマンティックWebの浸透と捉えがちだが、実はRSSには次の2派がある点に注意したい。

 [RDF尊重派] RSS 0.9 → RSS 1.0
 [RDF排除派] RSS 0.91 → RSS 0.92 → RSS 2.0

RDF尊重派]はセマンティックWeb の中核的技術であるRDFに基づいてRSSを発展させようというグループである。一方、[RDF排除派」はRDFの複雑さを嫌って、簡便さ・機能性を重視しようというグループである。

RDF排除派]の旗手は元UserLand Software社CEOのDave Winer 氏(RSS 0.91/0.92仕様の執筆者)であるため、この派を「Winer派」、対する[RDF尊重派]を「Anti-Winer派」と呼ぶことがある(なお、RSSの後継として期待される AtomはRDFに基づいておらず、したがって[RDF排除派]に近い)。

実際に、[RDF尊重派]はRSSを本来の「RDF Site Summary」としているのに対し、[RDF排除派]はRSS 0.91/0.92で「Rich Site Summary」、RSS 2.0で「Really Simple Syndication」というスペリングを充てている。どちらもXMLをベースにしているが、RDFへの距離の置き方は大きく異なる。

本書ではこのような歴史的展開も書かれているので、読み物としても楽しめるだろう。あとは実際に本書を片手にRSSを書いてみること((X)HTMLの知識があれば難しくはない)をお勧めしたい。

Posted on 2005-01-07T01:41+09:00 | Category: 書評

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Tracked on 2005-11-20T08:16+09:00

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