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書評『セマンティックWeb入門』

今まで、このブログでは本の書評は書かないようにしていたが(プライベートな感想は自分の腹の中で思うのは勝手だが、無責任に公開してしまうと本に対して失礼なので。私はそのぐらい本を大切に思っているのです。もちろん新聞や雑誌などに掲載されるパブリックな書評は重要なリソースですよ)、めでたく100回目を向かえるにあたり、ブログの更新頻度アップという効果も狙って、書評を解禁したいと思う。

そういえば、ブログと購買意欲で、Amazonのカスタマーレビューやブログが果たす「口コミ情報のインフラ化」の役割について書いた。いつの間にか伏線を張っていたなんて。

では、記念すべき1冊目、行ってみましょう。

* * *

セマンティックWeb入門『セマンティックWeb入門』
斎藤 信男・荻野 達也 監修(オーム社、2004年11月、2,940円)

「セマンティックWeb」という時点で、すでに「入門」レベルではない点に注意。現在のWebの仕組みはティム・バーナーズ=リー卿により考案されたことは広く知られているが、セマンティックWebという構想も、やはり彼の手によるもの。

本書は、セマンティックWebの中核的技術であるRDFOWL、それらの応用としてのRSSFOAF、Webサービスに焦点を当てて解説している。したがって、基礎言語であるXMLについて、読者は一定の理解があるという前提で書かれている。

私が読んでいろいろと発見があったのは、第5章「セマンティックWebのツール」と第6章「セマンティックWebの応用」。RDFOWLを解説した第2章から第4章は、W3C仕様書の抜粋訳という感じで、すでにそれらの仕様書を読んだ人には目新しい発見はない(これは単に、私が最近、RDFOWL関連仕様を読み漁っていたという個人的な事情にもよる)。

第1章「セマンティックWebとは」では、タイトルどおりセマンティックWebの目的や方向性がわかりやすく解説されている。頭の整理にとても役立つだろう。

余談だが、やっとWebのインフラが整備されてきた(例:ユーザーエージェントのCSSサポートが全般的にまあまあのレベルになった)というところに、このセマンティックWebである(構想自体は数年前に公表されていたが、言葉としてわりとよく耳にするようになったのはここ1年ぐらい。むしろWebサービスのほうがよく耳にする)。

HTMLCSSだけ知っていればよいという、古き良き時代は終ろうとしている。確かにセマンティックWebは大きな可能性を秘めており、私もその魅力に取り憑かれつつある人間のひとりだが、やっと中核的技術であるRDFOWLが固まってきたという感じで、先はまだまだ見えないといったところ。

とりあえず、セマンティックWebの肩ならしとして、RDFRDFSでストレッチ、Dublin Coreでランニング、RSSFOAFで軽くキャッチボールをしておくとよいかもしれない。

追記 (2004-12-10)

石田優子さんが代表を務める Crossing Fingersに、セマンティックWebについて非常にわかりやすい定義があったので、以下に引用する。

WWWの考案者、ティム・バーナーズ=リーが提唱するセマンティックウェブは、ウェブを含むあらゆるデータを、人の手を介さずにマシンによって理解できるようにすることで、単調な機械的作業から人々を解き放ち、人間が真に創造的な作業に集中できるようにするものです。たとえばウェブサイトならば、そのコンテンツに意味を付与することで、従来の検索エンジンでは不可能だった、意味検索が可能となります。

Posted on 2004-12-05T21:14+09:00 | Category: 書評

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