CYBER@GARDEN

home > Web::Blogoscope > 書評『「ネットの未来」探検ガイド』

Web::Blogoscope

書評『「ネットの未来」探検ガイド』

[表紙: 「ネットの未来」探検ガイド ― 時間と言葉の壁を超える]『「ネットの未来」探検ガイド ― 時間と言葉の壁を超える』
歌田 明弘 著(岩波アクティブ新書、2004年1月、798円)

検索ポータルであるGoogleのテクノロジーを手がかりに、RSSリーダー、アーカイブ、機械翻訳、グリッドコンピューティングなどホットな話題を通してインターネットの未来を探った本。

徹底して「ユーザーがどう活用するか」という視点で書かれているので、非常に読みやすくわかりやすい。技術的な話は必要最小限に抑えられており、やや難しい用語も著者独自の言葉で平易に解説されている。IT全般に関する知識がなくても数時間で読めるだろう。

章立ては次のとおり。

第1章 もっと便利にグーグルを使おう
第2章 明日の検索エンジン ― おもしろ検索・すぐれもの検索
第3章 サイトの壁を超えて
第4章 時間の壁を超えて ― インターネットのタイムマシン
第5章 言葉の壁を超えて
第6章 人と人のあいだを超えて ― となりのコンピュータも私のコンピュータ?

副題にあるとおり、本書の核心は第4章と第5章にあると言ってよい。第4章では「時間の壁を超え」るための Webページのアーカイブ化の取り組みとして、INTERNET ARCHIVE、アメリカ議会図書館のMINERVA、国立国会図書館のWARPなどが紹介されている。

また、アメリカの政権交代とホワイトハウスの Webサイトの変容、具体的にはクリントン大統領からブッシュ大統領に政権が交代したとき、ホワイトハウスのサイトはどのように変わったかをトレースしているのも面白い(クリントン時代のホワイトハウスのサイトは、アメリカ国立公文書館のサイトに保管されている)。

第5章では「言葉の壁を超え」るためのテクノロジーとして、機械翻訳にフォーカスしている。翻訳ソフトと翻訳精度の問題を簡単に振り返ったあと、Web翻訳の現状と主要ポータルのサポート状況、そしてこれらの機械翻訳を「翻訳支援」ではなく「読書支援」として活用しようと提案している。これはまさにユーザーの視点に立った、現実的な機械翻訳の活用法である。

ほかにも、検索テクノロジーとセマンティックWebの関係、RSSリーダーとメールマガジンの関係、大手新聞社のWeb記事へのスタンスの問題など、今まさに話題になっている事柄について説得力のある議論を展開しており、出版時期から考えてもそれらの「ブループリント」は大いに先見の明を感じさせる。

Posted on 2004-12-22T17:23+09:00 | Category: 書評

トラックバックPings

トラックバックのURI:
http://www.cybergarden.net/mt/mt-tb.cgi/112

コメント

« 四葉雷蔵 | ブログトップ | アメリカのトレンドを知る »