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忘れていたブログの本質

ブログが流行している理由ブログの行方でブログ(Webログ)に批判的な意見を書いたが、大切なことを見落としているのに気がついた。形式面にとらわれて、実質的で本質的なポイントをおざなりにしていたということだ。

「役立つまたは面白いブログが結果的に価値があるのであって、機能的にどうこう、公開している人のスタンスどうこうの問題ではない」ということである。

こう思うに至ったのも、ブログコミュニティ、また個々のブログ同士にも競争原理が働き、一定の淘汰が進んでいるようで、質の高いブログをいくつか目にしたからだ。

著名人がブログを連載するケースも増えている[1] [2]。それらはひとつのビジネス(のための種まき)といえるから、一定の質がキープされているのは当然で一般的なブログとは少し性質が異なるが、トレンドとしては無視できない。

また、高野悦子著 『二十歳の原点』(新潮社、1971年)という本を思い出したこともある[3]。立命館大学に在学中、鉄道自殺を遂げた女学生の日記をまとめた本だ。若い心の振幅と苦悩の様が共感を呼んだのだろう、当時かなり話題になった。といっても、私がこの本の存在を知り、実際に手にしたのは学生時分の1996年、ちょうど今ごろの季節だった。

もし高野悦子が生きた時代にWebというメディアがあり、ブログというトレンドがあったならば、『二十歳の原点』に収録されている個々の日記は、まずブログで公開された可能性がある。それで結果的に「本」という媒体にはならず、あるいは、自殺という悲しい結果には幸運にして至らず、広く一般に知られずに終わったとしても、その萌芽がブログに芽生えていた可能性がある。

とすれば、ブログを軽んじるのは、『二十歳の原点』を感動しつつ読んだ当時の自分を否定することになる。いや、過去の自分を否定するのは別に恐くとも何ともないが、当時その本を読んだときの感情と、今現在読んで抱く感情にどのぐらいの差異があるのか。

割引現在価値(Discounted Present Value)が将来価値を現在価値に換算するのに対し、過去価値を現在価値に置き換えるいうことになろうか。GDPや消費者物価指数の代わりに、感情ベースのデフレーターを変数にして。

その確認のためにもう一度読んでみたが、やはり感動した自分がそこにいた。それを尺度にブログの存在意義を疑問視した理由を自分自身に問うたら、大切なことに気がついたという次第だ。

[1] ココログ「週刊!木村剛」
http://kimuratakeshi.cocolog-nifty.com/
[2] excite ism ブログ「野田社長の巨乳ビジネス概論」
http://blog.excite.co.jp/yellowcab/
[3] 高野 悦子 著『二十歳の原点』新潮社、1971年
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4101183015/

なお、続刊でそれ以前の日記を収めた『二十歳の原点 ノート』(同社、1974年)と『二十歳の原点 序説』(同社、1976年)も出版されたが、自殺直前までの日記は『二十歳の原点』に収録されている。感情的にいえば孤独感・寂寥感・悲愴感、商業的にいえばエンターテインメント性は『二十歳の原点』が最も高い。

* * *

余談という名の限りなくExcuseに近いK氏への私信。

私事で恐縮だが、慕っているK氏から「コラムの更新が遅い。もっと頻繁に書け」とたびたびいわれる。

そこで、これまで58回分(2003年6月5日~2004年5月15日。今回を含む)の週当たり更新回数と、何曜日に更新する可能性が高いかを計算してみた。

週当たり更新回数
1.17回
何曜日に更新する可能性が高いか
  • 月曜日(Mon.) …… 17.24%(10回)
  • 火曜日(Tue.) …… 17.24%(10回)
  • 水曜日(Wed.) …… 15.52%(9回)
  • 木曜日(Thu.) …… 17.24%(10回)
  • 金曜日(Fri.) …… 8.62%(5回)
  • 土曜日(Sat.) …… 20.69%(12回)
  • 日曜日(Sun.) …… 3.45%(2回)

おおよそ週1回の更新はよいとして、更新する可能性が低いのは金曜日と日曜日ということを、自分で書いているのにはじめて知った。感覚的には「月曜日と日曜日かな」と思っていたので、1つアタリ、1つハズレ。

K氏のほかにも、本欄を一定の興味をもって継続的または断続的に読んでいる方がいるとすれば、「金曜日と日曜日は更新されている可能性が低いですよ」と、お酒でいうところの「週2回は休肝日にしましょう」とニアリーイコールの思いを込めて伝えたい。

あわせて、「それほど起伏の激しい生活を送っているわけではない。わりと淡白な性格も災いしている」ということをご理解いただければ幸い。

Posted on 2004-05-15T10:29+09:00 | Category: ブログトレンド

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