CYBER@GARDEN

home > Web::Blogoscope > ケンウッドは旧名「TRIO」

Web::Blogoscope

ケンウッドは旧名「TRIO」

[写真: ヘッドフォンの、音が出ない右耳(Right)]ケンウッド、パイオニア、シャープ、ソニーなどが、インターネット音楽配信会社「エニーミュージック」を設立したとのこと。5月20日からコンテンツがダウンロード配信される予定だ(シングルは158円、アルバムは1,050円から)。

まず目を引くのが、「ケンウッド、パイオニア、シャープ、ソニー」という記事上の社名の並び順だ。会社の規模からいえば全く逆順ではないかと思う。

エニーミュージックの会社概要を見ても、代表取締役社長はソニーの人間だ。プレスリリースを見ると4社が15.9%ずつ均等出資しているが、おそらく音頭を取ったのはソニーである。なぜケンウッドが先頭に来るのか少し訝(いぶか)るが、私はケンウッドに対して宿命的な親近感を抱いているので、むしろ嬉しさのほうが大きい。

次に「エニーミュージック」(Any Music)という社名について考えてみる。「あらゆる音楽を」という意味だろう。とすれば、「音楽の提供媒体を既存のモノ(CDなど)からWebに根本的に移行しよう」という意図を読み取ることができる。社名というのはあくまで(登記上の)「形式」だが、形式というものは意外と馬鹿にできない。

なお、どうやら「エニーミュージック対応のホームオーディオ機器」でしかダウンロードできないようなので、本格的な「囲い込み」あるいは「Winner takes all」(Winners take all)に手をつけたとも解釈できる。それはそれでひとつの見識であり、先見性だろう。

エニーミュージック「エニーミュージック」を5月20日より開始
http://bb.watch.impress.co.jp/cda/news/5031.html
エニーミュージック
http://www.anymusic.jp/

* * *

ケンウッドはその昔、「TRIO」(トリオ)というブランド名(社名は「春日無線工業」)だった。創業者の春日二郎に主要技術者2名を足して「TRIO」。葉っぱのマークがエンブレムだった。

私は3才のとき、TRIO製のヘッドフォン(KH-51)に魅せられた。5年以上前に右耳(Right)から音が出なくなったが、今も手元に残してある。すぐには目に入らないが、少しかがめば見える位置に、ひとつのノスタルジック・モニュメントとして。

その後、幼年から少年になったとき、格別気に入ったコンポーネントステレオは、示し合わせたようにケンウッド製だった。数あるコンポのなかで、少なくとも私が購入する気になった3つはすべてケンウッド製だったのだ。

それらのなかからひとつをチョイスし(これまでの人生において、唯一といってよいぐらい全く妥協のないチョイスだった)、当時としては大金をはたいて購入した。そのケンウッド製のコンポは今も、ほとんど働かないわりにリビングの片隅に鎮座し、大きなスペースを占領しつづけている。

たったひとつのヘッドフォンからコンポ、そして上記のような感情にいたるのは、結局、現ケンウッド・旧TRIOが螺旋状に私に絡みついているからだろう。あるいは、そう思うことで自分を納得させようとしているだけかもしれない。

ある種の人間はこのような運命論的な購買動機でモノを買う。いや、そのような動機でしかモノを買えない。事後的に運命論的なチョイスと結論づけただけだとしても、そういう動機で買ったモノは、満足や後悔という感情を超えて、意外なほど長く寝食をともにするから不思議である。

追記 (2004-04-23)

オーディオ通の友人からTRIO情報をもらったのでいくつか。

「TRIO = チューナーが最強のメーカーだった」

「京都のある民放FM局では『ステレオトリオ~、トリオが×時をお知らせします』 と流れていた」

Posted on 2004-04-20T10:55+09:00 | Category: ITトレンド

トラックバックPings

トラックバックのURI:
http://www.cybergarden.net/mt/mt-tb.cgi/51

コメント

« 悪夢 | ブログトップ | シンプルさ、それゆえの強み »