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シンプルさ、それゆえの強み

[画像: ザ・シンプレスト・メディア]数あるメディアのなかで、本は最もシンプルなもののひとつだ。音声もない、映像もない、標準的な本では写真すらない。ただ文字だけのメディアである。

私はそのザ・シンプレスト・メディアにこそ魅かれる人間だが、実際に本の売上が減少傾向にあるのは火を見るよりも明らかだ。過去の古典の数々が、会話のなかで通用しなくなったことからもわかる。

懇意にしている出版社の人と、本が売れるか売れないかで少しばかり問答したことがある。私は(今は)売れない論者だ。本は好きだが、普通の人が財布の中身をあえて本にあてるには、あまりにも選択肢が多すぎる時代だからだ。

昔はせいぜい本や芝居ぐらいしか娯楽がなかった。その後、テレビや映画にとって代わられ、今はさらに携帯電話やゲームその他、金銭と時間とエネルギーを充当するあてが多数ある。もちろん、本自体の魅力の低下、ありていにいえば「つまらなくなった」という理由もあるだろう。

だが、本はいつしか必ず復権する。時代はシンプルとゴージャスのスィンギング・バック(揺り戻し)で成り立っている。長らくつづいたゴージャス・メディアの時代は、人間の想像力を殺しつづけた。その鬱屈がゆくゆくは頂点に達し、おそらく10年後ぐらいにシンプル・メディアがまた台頭すると思う。

文字なら文字、書なら書、絵なら絵。過去も現在も未来も、物事の本質は常にシンプルにある。私はそのときを待っている。

Posted on 2004-04-21T10:53+09:00 | Category: 身辺雑記

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