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ブログが流行している理由

[写真: とある一室はクリスマスムード満点]ずっと不可解に思っていた。「ブログ」(Webブログ)が注目されていることを。

というのも、これまでWebで公開されてきた「日記」とどう違うのか理解できなかったからだ。定義上も「ブログ」と「Web日記」はほぼ同義に扱われているようである。

旅行のときにつける日誌を「トラベルログ」(travel log)という。所感や記録を綴るだけで何にでも「ログ」という言葉がつけられるから、言葉自体にさしたる問題はないだろう。むしろ「ブログ」に付帯するイメージを思い浮かべてみると、おぼろげながら見えてくるものがある。

第一に「ツール」だ。Movable Typeやblosxom、iBlogなどの高機能なWebログ生成ツールが注目されているが、それら新たな技術に対する好奇心が垣間見える。

第二に「省力化」だ。ツールを使えば、通常のWebページのように(X)HTMLベースでログを書くのではなく、CGIXMLベースで処理を自動化したかたちでログを書くことができるということ。

第三に「コミュニティ化」だ。ブログコミュニティとしてはアメリカの「Blogger」(後述)や「Livejournal」が有名であるが、日本でも雨後の筍(たけのこ)のようにWebログ・コミュニティが誕生している。

アクセス数の少ない個人サイトでブログを公開しても、読者数は限られているし、リアクションはメールなど間接的なかたちで寄せられる。ツールの中には、ナビゲーターやレス機能などコミュニティ化のための機能を備えたものがあり、読者数を増やし、直接的なリアクションが期待できるということ。

第四に「ジャーナリズム化」だ。ブログは元々、社会問題に対する個人の意見を発信するためにアメリカで流行し出したのもので、メールマガジンと連携させたり、リンクリスト(参考になったサイトや記事へのリンク)をつけたりと、単なる個人の心情の吐露ではなく、「社会情勢」を考察の対象としている点が旧来のWeb日記と一線を画すという。

モノを表現し、多数の人々に読んでもらうのは元々容易ではないのだから、第一、第二、第三はWeb日記との本質的な差異を表すものではないだろう。注目すべきは第四のポイントである。

どうやらアメリカでのブログ流行の契機となったのは、1999年のBloggerの登場と、2001年の「9.11」(Nine-Eleven)、いわゆる同時多発テロのようだ。「9.11」直後、自身の体験を綴ったレポート、安否に関する情報、テロの悲惨さを伝える画像や動画がブログで公開され、「warblog」(ウォーブログ、戦争に関するブログのこと)なる言葉まで生まれるに至った。

このようなアメリカの事情を知るにつけ、ますます日本のブログブームに対して冷ややかな視線を投げかけたくなるが、本コラムもブログという範疇に入るといえば入るから、ここでは深入りしない。

個人的な意見だが、日本でのブログブームは、何も上記のようなアメリカからの影響だけでなく、2つのサイトによってその下地が作られていたように思う。「ほぼ日刊イトイ新聞」と「2ch」だ。

1998年に糸井重里氏が開設した「ほぼ日」は、それまで一部の素人の情報発信の場だったWebを、プロアマ問わず個人が表現する場として認知させたし、「2ch」は(質はともかく)個人が積極的に発言できるコミュニティを提供し、ある意味でブログの代わりを果たしてきたといえる。

最近、ハーバード大学ロースクールにWeblogs At Harvard Lawというブログコミュニティができたし、日本にも日本ウェブログ学会なるものがある。Blogger開発元であるPyra Labs社はGoogleに買収された。何やら「blogosphere」(ブログの世界)という言葉まで定着しつつある。ブログがしばらく注目を集め続けるのは間違いないようだ。

だがここまで書いてなお、私はブログの必然性と必要性がはっきりと理解できずにいる。

追記 (2004-07-05)

その後、少し考え方を変えたのでありました。詳しくは忘れていたブログの本質参照。

Posted on 2003-12-10T21:02+09:00 | Category: ブログトレンド

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